NARUTO

□うずまきさんちのナルトくん 03
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*sideサスケ




「で、てめぇは一体昨晩何してたんだ?」
「ふぇ?」
こっちまで注目されていい迷惑だ、と付け加えると、
「サスケが注目されてるのはいつものことだってば。」
と言って親指で後方を指さされた。
振り返ると、キャーと黄色い歓声が上がる。
言わずもがな、クラスの一部の女子たちだった。毎度毎度うるさくてしょうがない。
我知らず渋面を作ると黄色いウスラトンカチはイタズラ成功!とばかりにくしゃり笑った。
それがまた己の機嫌を降下させていくのだが、とりあえずここでキレると話が進まないので先を促す。
「しょーがないなぁ、サスケぇ。そんなに知りたい?知りたい?ふふふふふ。ならば教えてやろう。サスケがそォんなに聞いてくるんだからしょうがないってばよ!!」
ここで何としても言っておかなければならないことだが、俺はここまで催促してない。
この時点でかなりイヤな予感がする。
ああ、聞かなきゃよかったと思う。
今からでも間に合うか?
「そこまで言ってない。言いたくなければ言わなくていい。」
「そーかそーか。そんなに聞きたいか。実は古代アスタテティア文字で書かれた巻物貰ってな、解読してたんだってばよ!!」
「………」
間に合わなかった。
がくりと肩を落とす。



このドベの称号を欲しいままにしてる俺の幼なじみは、実はイタチ兄さんが解けないような難解な暗号を瞬時に解読してしまうほど優れた頭脳を有している。
今コイツが熱心に話している“アスタテティア”とは遥か昔に栄えた文明らしく、その時期はなんと六道仙人がいた時代だとも言われており法術が発達していた、らしい。
そうウスラトンカチが熱弁するのは今に始まったことじゃない。
「ロマンだね!!俺があの書物を解読したことで古代アスタテティアには俺ですら苦労する暗号を作成する頭脳を持ちながら持て余し余し余しあまーしていた暇人が少なくとも一人はいたことが証明されたわけだ。俺ってば“人”の存在を証明したんだってばよ?わかる?サスケちゃん?過去と現在(いま)の“つながり”を感じない?大いなる“何か”とちっぽけな“俺たち”が決して無関係ではないことを感じない?」
…………さっぱりわからない。
「聞いてるー?サースケ?」
「聞いてねーよ。」
「聞けよ!!」
「無理だ、バカ。」
「何でだよ」
「理解不能」
そう言ってやるとウスラトンカチは大げさに溜め息をついた。
溜め息をつきたいのはこっちだ、バカ。






ドベなんて言われてんじゃねぇよ。










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